社会起業のクラウドファンディング利用は資金調達の第一候補にしていいか

創業・起業

昨夜、何気にNHKの「ベトナムのひかり」というドラマを視聴。

日本の眼科医がベトナムの地で現地の患者さんたちを助けるため、無報酬で勤務したり、自身の車を売って医療機器を購入したり、自身の身を削りながらも現地の人々や医師と心を通わせながら奮闘する実話をもとにしたストーリーでした。

家族との葛藤も描かれていて、素直に面白かったなぁ。

ただ、同時に経営支援を生業としている自分としては、私財を投げうって家族にも我慢させて志を通す姿には心苦しくなるというか。

何かを成し遂げるために、見合った収入を得ずにむしろ削っていくのは本来あってはいけないはずですから。

 

だったら、どうすればいいのか。

というところで、特に今回のドラマの慈善事業のような場合、よく利用されるようになってるのがクラウドファンディングですね。

人の役に立つ事業、誰かを助ける事業。

今はそういう目的で事業を始めることを社会起業とも言います。

実際に、僕のところにもNPO法人設立の相談で、一緒に資金調達でクラウドファンディングの利用を聞かれることもあります。

どれだけの金額が集まるかは分からないけど、借入れをするよりいいと考えてる方もおられますね。

 

そんな社会起業で、クラウドファンディングを資金調達の第一候補として考えていいんでしょうか。

これは僕の場合、答えはノーです。

そして理由は、調達額があまりに不透明だからです。

 

自分がやりたい事業があって、それにどれだけの資金が必要かを見積もって、そのうえでクラウドファンディングを利用する、というのが流れでしょう。

ただ、クラウドファンディングを利用すると分かりますが、掲載サイトで審査を受けると、希望金額が妥当かしっかりチェックされます。

そして、よほどのプロジェクトじゃない限り、妥当金額は希望金額より低くなります。

クラウドファンディングには投資型や融資型といろいろ種類はありますが、人から資金を集めるってやっぱり簡単じゃないんですよね。

 

結局、社会起業にしても一番大事なことは、一般的な創業・起業と一緒でしっかり収入を得ていける事業になっているかということ。

ここに一番の力を注ぐべきだし、これが確立できれば資金調達は金融機関で確実な額を確実に受け取ったほうがいいんです。

クラウドファンディングを利用するにも労力いるんですよね。

そういう労力も考えながら利用してほしいなって思います。

 

せっかく社会に意義のある事業を始めるなら、やっぱり長く続く事業にしてほしい。

クラウドファンディングはとても素晴らしい仕組みだからこそ、あと少しの資金が足りない時の調達手段くらいで捉えてほしいです。

 

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